ベストな退職金の運用でゆとりある老後生活を
退職金を運用していくにあたり、まずはその退職金を安全に運用して行きたいと考えるはずだ。
そして次に、安全に運用するにはどのような金融商品で運用すべきなのか、このように悩む者が多いだろう。
特に退職金を受け取って、初めて資産運用を始めようと考えている者は単に金融商品を挙げられたところで、知識がないから不安も残るだろう。
この記事では、退職金を運用するのにベストな金融商品を厳選し紹介するだけでなく、その商品1つ1つの特徴、またその上手な活用術まで丁寧に紹介するから初心者も安心である。
また、単に金融商品を紹介するだけでなく、退職金を運用する上で失敗しないために心がけておくべきポイントがあるから、それについても紹介しようと思う。
退職金を安全に上手に活用することで、ゆとりある老後生活へ前進だ。
目次
退職金の運用で失敗しないためには
退職金の運用におけるベストな商品を知りたいところだろうが、それを知ったところで退職金の運用というものがどのようなものなのかを知らなければ失敗しかねない。
だから、まずは退職金の運用で失敗しないために、知っておくべき注意点を4つ紹介していく。
退職金の運用においてリスクはかけない
退職後は基本的に収入が年金だけとなり、働いていたころに比べればだいぶ収入は減ってしまう。
働いている時はな今後の労働における収入があるから、ある程度のリスクをかけた資産運用をしても大丈夫。
しかし、退職したとなると、退職金は大事に扱い、基本的に大損を避ける運用を心がける必要がある。
もし大きいリターンに目がくらみ、リスクの高い商品に手を出して、退職金を失うようなことがあれば、自分を苦しめるようなものだ。
主な運用としてはリスクの比較的少ない安定した資産運用を行うべきだということを覚えておくといい。
資産を分ける必要がある
2つ目の注意点が資産を分けようということである。
資産とはな、3つの資金、生活資金・必要資金・余裕資金に分けることができる。
まず、生活資金についてだが、生活する上で必要な資金に当たり、具体的には家賃や食費だ。
基本的には生活資金には年金を回し、年金では足りない分を退職金から補填すれば良い。
次に必要資金とは、退職後に使い道が決まっている資金、もしくはいざという時に使える資金が当てはまる。
具体的には、車を買う・旅行に行くなどの使い道の決まっているものや病気になってしまった際に必要となる資金だ。
最後に、余裕資金とは、生活資金と必要資金を除いた余りの資金が当てはまる。
退職金の運用はこの余裕資金でのみ行うようにしよう。
この余裕資金のみで行うことで、万が一運用に失敗することがあったとしても、生活資金と必要資金で想定内の生活ができる資金を維持することできる。
退職金を受け取るということは、まとめてかなりの大金を手にすることになる。
その退職金を今後の人生の計画に沿って扱っていくことが、退職金の運用において大切なのだ。
資産運用の知識を持とう
3つ目に、退職金の運用だけでなく、資産運用を行う上で大事なことだが、自分が扱う金融商品における知識を持つ必要がある。
業者などに紹介される金融商品は聞く分には魅力的であっても、その金融商品をちゃんと理解せずに投資して失敗してしまうことはよくあって、非常に危険である。
自分が投資する金融商品のメリット・デメリット・リスク回避の方法などはしっかり理解しておくことが大事だ。
分散投資を徹底しよう
最後に、初めに退職金を運用する上でリスクをできるだけかけないようにと言ったが、リスクをできるだけ抑える方法として分散投資がある。
分散投資とは複数の金融商品に投資し、リスクを分散させる運用方法である。
分散投資の最大のメリットは、1つの金融商品に集中して投資するよりも安定性が高いということだ。
複数の運用を同時に行っておけばな、一つの運用で損が生じた場合でも残りの運用次第では全体としては損にならないこともある。
また、合計として損になったとしても1つの商品に投資するよりも損失額を抑える効果が期待できる。
この分散投資という手法は退職金の運用に限らず投資において非常に重要な手法じゃから、覚えておくとよい。
退職金における資産運用を行う際には、これらのポイントをしっかり押さえて行うことが重要だ。
ベストな金融商品を紹介
退職金の運用先として何が最初に思い浮かぶだろうか。
多くの人に思い浮かぶのは、銀行預金なんじゃないだろうか。
銀行預金は元本保証があり、安全性の高い金融商品だ。
また、最も身近な金融商品であり銀行預金について知らないという者はほとんどいないだろう。
だが、聞いたことがある者も多いと思うが、今の時代マイナス金利なんて言われており、預金じゃ資産はほとんど増やすことができない。
銀行預金を退職金の運用先として否定するのではなく、むしろリスクを出来るだけかけないという点では運用先として選ぶのも悪くない。
しかし、世の中に金融商品というものは多く存在し、その中でもリスクを出来るだけ抑えることができ、さらに銀行預金に比べて何倍もの金利を持つ金融商品があるのだ。
その中でもさらに3つに厳選したので、ここで紹介していこう。
投資信託
まず1つ目のベストな運用先は、投資信託だ。
投資信託とはな、投資家から集めた資金を基に投資のプロが運用し、その結果得られた利益を投資家たちに分配するというものである。
投資信託の魅力の1つだが、それは少額投資から始められるということだ。
特に投資初心者なら、初めから高い投資額の商品に投資するのは不安もあり、なかなか手が出せないだろう方にはおすすめである。
また、ある銘柄の株価にが非常に高く個人としては投資を行うのができないことがあったとしても、投資信託を使うことでその銘柄に投資することもできる。
次にもう1つの特徴として安全性が高いということだ。
安全性が高い理由として、1つはプロが行ってくれるということである。
様々な投資商品の中から最も勝算のある商品を選ぶという点で、投資の素人の初心者に比べれば断然プロの方が可能性が高い。
そしてもう1つの理由が、投資信託ではプロたちが投資家から集まった資金を基に、様々な投資商品に対して分散投資を行っているという点だ。
先述した通り、分散投資を行うことであらゆるリスクを軽減することができる。
ただ、注意点としてじゃが、投資信託には大きく2つの種類に分けることができ、インデックス型投資信託とアクティブ型投資信託がある。
まず、投資信託では、投資信託が運用する際に目標とする基準としてベンチマークと呼ばれるものを使う。
このベンチマークには基本的にはもし株であれば、その株の市場における株価の平均値を指数とみなして使われている。
つまり、そのベンチマークの指数を上回る運用成績であれば、投資信託で任せたプロの腕が良かったといえる。
まず、このベンチマークに沿った運用を目指したものがインデックス型投資信託というものだ。
つまり、ベンチマーク以上の運用を無理に狙わないリスクをあまりかけない運用である。
これに比べてアクティブ型投資信託とは、ベンチマーク以上の運用成績を目指して投資信託を行っていく。
ベンチマーク以上の運用成績を狙うためにリスクをかけるため、もし上手くいけばリターンも大きいが、失敗する可能性も高い。
退職金の運用においては、リスクを抑え着実にベンチマークに沿って利益を出していくインデックス型投資信託を選ぶべきだ。
ヘッジファンド
まず、ヘッジファンドとは、世界中の富裕層からお金を集め、彼らの代わりにその集めた資金を基に投資のプロが様々な金融商品に投資し資産運用してくれる独立系の資産運用会社である。
今のところ投資信託とあまり変わらないと感じるだろうが、中身はかなり違う。
まず、ヘッジファンドの1つの特徴として成果報酬制を取っているということである。
つまり、会社側も運用における結果がついてこなければ報酬も減ってしまうということだから、他にもプロに運用を任せる金融商品はあるが、それらに比べて本気度が違うということだ。
そしてもう1つの特徴としては、これだけプロが本気で代わりに投資を行う分、最低運用金額が1000万~1億程度と設定されている。
しかし、数千万単位が動く退職金の運用だからこそ手を出すことができる、退職金の運用にぴったりの商品だと思う。
それになんといってもヘッジファンドの魅力は、利回りが20%前後は期待できるということだ。
ここでそのような利回りの大きさを見るとリスクについて気になるだろう。
ヘッジファンドでは、まず先述した通りプロの本気度、投資の腕も他の金融商品に比べて高い上に、集めた資金を様々な金融商品に分散投資を自動的に行ってくれる。
ヘッジファンドは比較的安全性が高い上に高い利回りなだけに最低出資額のハードルはかなり高いが、退職金を受け取るタイミングであればこのハードルを超えることができるだろう。
退職金専用定期
この退職金専用定期というものはな、非常に知っておくと便利な退職金の運用先だ。
これは言ってしまえば、退職金を受けてから1年間ノーリスクで資産を増やすことができる。
まず、これを利用するには条件があり、退職金受け取り後3か月~1年を条件に、ほとんどの金融機関で預入期間が1~3か月と設定されている。
最大の魅力は年利2~3%程度と普通預金の約100倍の金利だ。
ただし、ここで注意してもらいたいのが、先述した通りほとんどの金融機関の退職金専用口座の預入期間は3か月程度であるということである。
つまり、預入期間が3か月の場合、受けれる金利は年利の1/4程度になる。
実は、退職金専用定期をきちんとフル活用した運用をすることで1年間で年利2~3%以上の利益を手に入れることができるのだ。
それでは、退職金専用定期をフル活用する手法を教えよう。
まず、退職金をフル活用するためにしておくとよい2つの準備がある。
1つ目は、年金の受取先にすると金利が上がる銀行に口座を作り、勤務先で年金の受け取り口座にしておくことだ。
一部の銀行では、その銀行の口座を年金の受け取り先に指定すれば退職専用定期の金利にさらに上乗せすることができる。
2つ目は、できるだけネット普通預金口座にすることだ。
ネット普通預金口座の方が普通預金に比べて、資金を無駄なく安全に移動できる。
注意点としては、ネット預金は一日の預金限度額が低く設定されていることがあるから、事前に申請して上限額を高めておくと良い。
これら2つの準備ができたら実際にフル活用の例を見ていこう。
・退職金(2000万円)を受け取る
・A銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・A銀行を解約し、B銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・B銀行を解約し、C銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・C銀行を解約し、D銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2.5%、1か月)
・D銀行を解約し、E銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・E銀行を解約する
これらの運用によってトータルで約35万円の利益が手に入る(利息にかかる税金20%を除く)。
最大のポイントは、退職金を受けてから1年以内ならば預け入れてから解約するまでの途中に1年が過ぎようと関係なく、退職金専用預金を使えるということだ。
つまり、上のフル活用例の手順5でD銀行の預入期間1か月をわざと挟むことで、実質1年1ヵ月間この退職金専用預金を活用することができる。
また、前の銀行で得た利益も含めて次の銀行で運用することで利息に利息が付くので、複利効果を活用するのもポイントだ。
退職金専用定期は、基本的な商品性は普通の定期預金と同じだから、 元本保証があり、万が一銀行が破綻した場合も1000万円とその利息までは保障されており、非常に安全である。
この退職金専用預金の存在とフル活用術を知るか知らないかは大きい。
とっておきの節税対策がここにある
今お主は退職金におけるベストな運用を知ったわけだ。
もちろん、ここまでで学んだことを実践すれば、知らなかったときに比べて全然運用における結果も違うだろう。
しかし、ここでベストな退職金の運用をさらにパワーアップさせるものを紹介しようと思う。
退職金のような非常に大きな金額を動かす運用では、自然と利益も大きくなっていく。
それに比例して、その利益にかかる税金も増えいくということは、これからの運用において悩みの種になりかねない。
しかし、資産運用にはそのような税金の悩みを吹き飛ばすようなような節税対策があるのだ。
NISA口座
まず1つ目はNISA口座じゃな、この口座を活用することで年間120万円以内での投資による取引が5年間非課税になる。
それではこのNISA口座について詳しく説明していこう。
まずはこのNISA口座のメリットとして、
・年間120万円までの投資が5年間非課税である
・株式や投資信託に投資できる
が挙げられる。
逆にデメリットとしては、
・手続きが複雑である
・損益通算や損益繰越ができない
・再利用できない
ということが挙げられる。
NISAは再利用できないということで、最長5年間の非課税期間を最大限に活用できるかが大きなポイントになってくる。
NISA口座を活用する上で知るべきポイントとして、
・対象は日本に住む20歳以上
・対象期間は2023年まで
の3つは少なくとも覚えておく必要がある。
5年間とは言え、非課税期間があるのとないのでは手に入る利益に大きな差ができる。
途中解約することのないためにも、先述したように資産を分けてできた余裕資金で運用を行うことの重要性がわかるだろう。
iDeCo
2つ目の節税対策は、iDeCoを活用するということだ。
まず、iDeCoとは何なのか説明しよう。
iDeCoとは、別名個人型確定拠出年金と呼ばれ、自分で作る年金制度のことである。
加入者が毎月一定の金額を積み立て、その金額で投資信託などの金融商品を自ら運用し、60歳以降に年金や一時金として受けとる制度なのだ。
このiDeCoのメリットとしては、
・運用で得た定期預金利息や投資信託運用益が非課税になる
・自己破綻しても財産が残る
が挙げられる。
自己破綻しても財産が残る、という部分には少し疑問を抱くかもしれない。
この確定拠出年金は法律で「換価不要な資産」として保護されるので、もし自己破産してしまったとしても老後に積み立てたお金は返ってくるのだ。
退職金の運用での失敗はあってはならないが、どれだけ安全性の高い商品で運用しようと失敗しない可能性は0%ではないから、このiDeCoの重要性は分かるだろう。
次にデメリットとしては、
・60歳まで解約、または引き出しができない
・利用には毎月定額のリスクがかかる
が挙げられる。
年金ということで、60歳までは積み立てた金額は引き出すことができないから、近々必要になるであろう資金では運用することはできない。
資産運用の計画をしっかり立てた上で、余裕資金の中でこのiDeCoを活用することをおすすめする。
では、このiDeCoを活用する上で最も重要になってくるのが金融機関の選択だ。
iDeCoを始める上でどこか1つの運営金融機関を選ぶ必要があるが、iDeCoは基本投資信託で運用するので証券会社を選ぶのが良い。
また、証券会社の中でもいい証券会社を選ぶコツとしては、
・運営管理機関の手数料が安い
・用意されている投資信託の種類の多さと手数料が安い
この2つに注目するのがいいことは覚えておくといい。
これら2つの節税対策を知っておくことは、よりお主の退職金の運用の後押しになるだろう。
まとめ
今回は、退職金の運用において知るべき注意点、ベストな運用方法、とっておきの節税対策について述べてきた。
儂は退職金と安全性という2つは切っても切り離せないと思っている。
安全な運用を心がけるということはわかってても、安全に行うために何が必要かがこの記事で少しは分かったと思う。
少しでもこの記事がお主の老後生活をゆとりあるものにする足しになれたらと祈っている。
⇒元本保証があるものに退職金を運用した方が良いのか比較して検証
堀切 一
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