安全性の高い運用が退職金ではおすすめ
退職金というのは、退職後のお主の生活においてとても大事な資金である。
お主も退職金はあまりリスクにさらさず、安全に運用したいと思っているだろう。
その考えは正しくて、退職金は大事に扱っていかないといけない。
退職後の収入と言えば基本的に年金くらいで、職を持っていた頃に比べれば少ない額になるからである。
ただ、今の時代マイナス金利なんて言われている。
昔は退職金を銀行に預けておくだけでも金利が高かったから十分生活できたが、今では預けてもほとんど資産は増えないのだ。
そこで今回儂が、安全性の高い金融商品でおすすめできるものを紹介していこう。
目次
退職金を運用する上でのポイント
それでは初めに、退職金をこれから運用して行く上で押さえておくポイントを紹介していこう。
リスクはあまりかけず、大損を避ける
退職後は基本的に収入が年金だけとなるからな、現役時代と比べると収入は減ってしまう。
若いうちは今後の労働における収入があるから、ある程度のリスクをかけた資産運用をしても大丈夫だ。
しかし、そのような収入源がないとなると、退職金を大事に扱い、基本的に大損を避ける運用を心がける必要がある。
例えば、FXや株式投資の場合、成功すれば大きい利益を手にする可能性があるが、その分損失も大きくなるリスクがあるからおすすめできない。
もしかしたら、退職金で少しリスクをかけてみたいという場合があるかもしれない。
そのような場合は、退職金の一部で少しリスクをかけてみてもいいが、主な運用としてはリスクの比較的少ない安定した資産運用を行うべきである。
資産を分けよう
2つ目として資産とはな、3つの資金、生活資金・必要資金・余裕資金に分けることができるのだ。
最初に、この3つの資金について説明しよう。
まず、生活資金についてじゃが、生活する上で必要な資金で家賃や食費が当てはまる。
基本的には生活資金には年金を当てて、足りない部分を退職金から補填すれば良い。
次に、必要資金じゃが、退職後に使い道が決まっている資金、もしくはいざという時に使える資金が当てはまる。
具体的には、車を買う・旅行に行くなどの使い道の決まっているものや病気になってしまった際に必要となる資金だ。
最後に、余裕資金とは、生活資金と必要資金を除いた余りの資金が当てはまる。
退職金の運用はこの余裕資金でのみ行うようにするといい。
余裕資金のみで行うことでな、もし運用に失敗することがあったとしても、想定内の生活ができる資金を維持することできる。
退職金を受け取るということは、まとめてかなりの大金を手にすることになる。
その資金のうちのどのくらいの金額を生活資金・必要資金・余裕資金に区分するかを明らかにすることが、退職金の運用において大切になる。
資産運用の知識を持とう
3つ目に、資産運用で大事なことなんじゃが、知識のないまま資産運用をしてはならない。
業者などに紹介される金融商品は聞く分には魅力的であっても、その金融商品をちゃんと理解せずに投資して失敗してしまうことはよくあって、非常に危険なことなんだ。
自分が投資する金融商品のメリット・デメリット・リスク回避の方法などはしっかり理解しておく必要がある。
分散投資を徹底しよう
最後じゃが、退職金を運用する上で分散投資が必須になるということである。
分散投資とは複数の金融商品に投資し、リスクを分散させる運用方法だ。
分散投資の最大のメリットは、1つの金融商品に集中して投資するよりも安定性が高いということだ。
複数の運用を行っておけばな、一つの運用で損が生じた場合でも残りの運用次第では全体としては損にならないこともある。
また、合計として損になったとしても集中投資の場合よりも損失額を抑える効果が期待できる。
この分散投資という手法は退職金の運用に限らず投資において非常に重要な手法である。
退職金における資産運用を行う際には、これらのポイントをしっかり押さえたうえで臨むといい。
元本保証のある金融商品
それではここから、安全に退職金を運用しながらも資産を増やしていくのにおすすめできる金融商品を紹介していこうではないか。
資産運用において安全かどうかを判断する際に、元本保証があるかどうかというのは1つの大事な判断基準になるだろう。
ここでは元本保証のある金融商品の円預金、個人向け国債、退職金専用預金の3つを紹介しよう。
銀行預金
お金を預けておく預け先として、大半の人が利用しているのが銀行預金だ。
ただ銀行に預けておくだけでも、少しではあるが金利がついて貯金が増えるから、銀行預金は資産運用の1つである。
銀行預金の良い点としては、時間が掛からないということである。
他の資産運用だと利用するのにその金融商品を理解する必要があるからな、それに比べると銀行預金は預けておくだけだから、手間がかからない。
そして、もう一つの良い点として、なんといっても元本保証があるということだ。
元本保証があることで、1000万円以内の預金であればもし銀行が破綻したとしても、1000万円までの元本はお主のもとに返ってくる。
ただ、先述した通り非常に低金利だからな、銀行に全額預けたところでほとんど資産は増えない。
だから、分散投資の1つとして退職金の一部を預金することはいいと思う。
個人向け国債
2つ目に紹介するのは、個人向け国債というものだ。
国債とはな、国が発行している債券で、政府が国の資金調達のために発行するものである。
個人向け国債の良い点としては、政府が破綻しない限りは元本と金利が保証されている。
国が破綻することなんてなかなかないからな、他の金融商品に比べれば圧倒的に安全である。
また、他の良い点は、預金に比べると金利が高いことだな。
ただ、預金に比べて高いとは言っても他の金融商品と比べると低いほうだから、これも分散投資先の1つとして考えておくのが良いだろう。
退職金専用定期
この退職金専用定期というものはな、非常に知っておくと便利な退職金の運用先である。
これは言ってしまえば、退職金を受けてから1年間ノーリスクで資産を増やすことができる。
それではこの退職金専用定期について説明していこう。
まず、退職金専用定期では退職金受け取り後3か月~1年を条件に、ほとんどの金融機関で預入期間が1~3か月と設定されている。
最大の魅力は年利2~3%程度と普通預金の約100倍の金利だ。
ただし、ここで注意してもらいたいのが、先述した通りほとんどの金融機関の退職金専用口座の預入期間は3か月程度であるということである。
つまり、預入期間が3か月の場合、受けれる金利は年利の1/4程度になるのだ。
しかし、退職金専用定期をきちんとフル活用した運用をすることで1年間で年利2~3%以上の利益を手に入れることができる。
それでは、退職金専用定期をフル活用する手法を教えていこう。
それではまず、退職金をフル活用するために2つの準備をしておいてほしい。
1つ目は、年金の受取先にすると金利が上がる銀行に口座を作り、勤務先で年金の受け取り口座にしておくこと。
一部の銀行では、その銀行の口座を年金の受け取り先に指定すれば退職専用定期の金利にさらに上乗せすることができる。
2つ目が、できるだけネット普通預金口座にすることだ。
ネット普通預金口座の方が普通預金に比べるとな、資金を無駄なく安全に移動できる。
注意点としてな、ネット預金は一日の預金限度額が低く設定されていることがあるから、事前に申請して上限額を高めておくと良い。
これら2つの準備ができたら実際にフル活用の例を見ていこう。
・退職金(2000万円)を受け取る
・A銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・A銀行を解約し、B銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・B銀行を解約し、C銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・C銀行を解約し、D銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2.5%、1か月)
・D銀行を解約し、E銀行の口座で「退職金専用定期」に預け入れ(金利2%、3か月)
・E銀行を解約する
これらの運用によってトータルで約35万円の利益が手に入る(利息にかかる税金20%を除く)。
この退職金専用定期の最大のポイントは、退職金を受けてから1年以内ならば預け入れてから解約するまでの途中に1年が過ぎようと関係なく、退職金専用定期を使えるということだ。
つまり、上のフル活用例の手順5でD銀行の預入期間1か月をわざと挟むことで、実質1年1ヵ月間この退職金専用定期を活用することができるのだ。
また、前の銀行で得た利益も含めて次の銀行で運用することで利息に利息が付くので、複利効果を活用するのもポイントだ。
退職金専用定期は、基本的な商品性は普通の定期預金と同じだから、 元本保証があり、万が一銀行が破綻した場合も1000万円とその利息までは保障されており、非常に安全である。
この退職金専用定期の存在とフル活用の手法は覚えておく良い。
比較的安全性の高い金融商品
これまで元本保証のあるかなり安全性の高い金融商品を紹介してきた。
ここでは元本保証ありとまではいかないが、比較的に安全性の高い金融商品のなかでおすすめできるものを3つ紹介していく。
保険
それでは比較的に安全性の高い金融商品の1つ目として、保険を紹介しようと思う。
実は、生命保険や火災保険、終身保険などの保険に加入することも資産運用の種類の1つになる。
保険の中にも大きく分けると掛け捨て型の保険と貯蓄型の保険の2つがある。
掛け捨て型というのは、保険料が安い代わりに支払った保険料は契約が終わっても返ってこない。
一方で、貯蓄型は満期になれば、支払った保険金が返ってくる。
資産運用ではこの貯蓄型の保険を主に利用する。
保険の良い点というのは、なんといっても身近で始めやすく保険機能がついてくる上に、資産も増やせるということだ。
また、もう1つのメリットとしては、節税対策になるということだ。
貯蓄型保険はな、生命保険料控除という制度を受けることができる。
この制度を活用すればな、支払った保険料に対して、所得税・住民税から税金が控除される。
次に、保険は非常に良い運用先である一方で注意点もあり、途中解約をしてしまうと元本割れの可能性があるということだ。
途中解約することがないようにするためにも、計画性のある資産運用を心がけるようにするとよい。
そんなに金利が高いわけではないから、 保険は長期間保有しなければ意味がない一方で、長期間保有すればするほど資産が増えていくものである。
ヘッジファンド
まず、ヘッジファンドとは、世界中の富裕層からお金を集め、彼らの代わりにその集めた資金を基に投資のプロが様々な金融商品に投資し資産運用してくれる独立系の資産運用会社のことだ。
ヘッジファンドの特徴としては、まず成果報酬制を取っている。
つまり、会社側も運用における結果がついてこなければ報酬も減ってしまうということだから、他にもプロに運用を任せる金融商品はあるが、それらに比べて本気度が違うということだ。
もう1つの特徴としては、最低運用金額が1000万~1億程度と設定されているということである。
数千万単位が動く退職金の運用においてはぴったりな金融商品だろう。
それになんといってもヘッジファンドの魅力は、利回りが20%前後は期待できるということだ。
ヘッジファンドではな、集めた資金を様々な金融商品に分散投資をプロが自動的に行ってくれるから、比較的に安全性が高い。
ヘッジファンドは比較的安全性が高い上に高い利回りなだけに最低出資額のハードルはかなり高いが、退職金を受け取るタイミングであればこのハードルを超えることができる。
投資信託
まず、投資信託とは、投資家から集めた資金を基に投資のプロが運用し、その結果得られた利益を投資家たちに分配するというものだ。
投資の形はヘッジファンドとあまり変わらない。
ヘッジファンドとの違いとしては、投資信託では少額投資から始められるということだ。
ヘッジファンドは確かに利回りが高くて魅力的じゃが、最低出資額のハードルが高く怖さがあるという方には、投資信託はおすすめである。
投資信託もヘッジファンドと同様にプロが様々な金融商品に分散投資しているから、比較的に安全性が高いから安心だ。
また、特に初心者に当てはまると思うが、例えば株式投資においてある銘柄の株価が非常に高く個人では投資しにくい場合があるとする。
このとき、投資信託であれば多数の人からのお金を集めて投資するので、そのような手の届きにくい金融商品に投資することもできる。
投資信託は特に投資において初心者である者にもおすすめできる比較的安全性の高い金融商品だ。
まとめ
退職金を受け取るにあたって、今後の人生をより良いものへとしていくために、退職金の運用は非常に大きな影響力を持つ。
退職金を運用していくにあたって、心がけることはいくつもあるが、一番重要なのは退職金はできるだけ安全に運用して行くということだ。
そのためにも、運用をより安全なものにするのが分散投資である。
これができるかできないかではリスクがかなり違ってくる。
様々な金融商品の知識を付け、できるだけ安全性の高い商品を複数しっかり選別し、それらに分散投資することが本当に大切だ。
この記事がお主の今後の退職金の運用において少しでも足しになることを祈っている。
以下、関連記事なので是非読んでみてほしい。

堀切 一

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