注意点を押さえ失敗のリスクを避けた退職金運用
資産運用では、余っている余剰資金で運用する際でも注意点はたくさんあるものだが、老後の生活に必要な資金になる退職金を使った資産運用の注意点はさらに多くなる。
その退職金運用の注意点は、投資初心者の人が初めから心得ているものではなく、しっかりと学ぶ機会が必要になるものだ。
そこで、この記事では、資産運用初心者の人でも簡単に理解することができるように退職金運用の注意点を詳しく、噛み砕いて説明していく。
この記事で書いている注意点をしっかり押さえることができれば、退職金運用で失敗するというリスクを避けた安全な運用を行うことができるはずだ。
その安全な運用を実現することができれば、老後に資金の心配をせず楽しく暮らすことができるため、早速見ていこう。
目次
退職金運用の注意点をまとめて簡単解説
退職金の資産運用はもちろん安全な投資先に運用することも大事ではあるが、他にも大切な運用ポイントはたくさんある。
その様々な運用ポイントをここでは詳しく見ていく。
注意点を理解してリスクを回避
退職金を使った資産運用での失敗は老後破産を招く可能性がある。
そのため、退職金運用にとって失敗は命取りになるのだ。
そこで、失敗しないために以下にまとめた。
資産運用の知識
自分が今から投資するところの詳細や仕組みが分からない状態では、退職金で資産運用を行うことはできない。
資産運用の専門的で高度な知識を持てとは言わないが、最低限、自分の投資先がどんなことを行っているのかといったことは把握し無ければならないだろう。
このことは私生活に置き換えれば、簡単に理解できることである。
例えば、何を考えているのか、どんな仕事をしているのか全く分からない女性と付き合おうとは考えにくいはずだ。
このように、まず相手のことをしっかりと知ってから投資するようにしなければ、後で大きな失敗をして老後破産ということになってしまう可能性があるため、注意が必要だ。
分散投資
投資先の実態を自分で理解できたところで次は、1つの運用先に資金が集中しないように注意してほしい。
もし仮に、退職金の全てを株に運用していた場合、株価が大暴落した時はもう取り返しのつかないことになっていることが想像できるだろうか?
今まで汗水垂らして働いて受け取った退職金が全て水の泡になる。
一方で、退職金を株と不動産の2つに分散投資をしていた場合、リスクが2つに分散され、不動産投資の分が無事に残っているため、老後破産は免れるのだ。
しかし、いくら分投資が良いと言っても、異常なまでに投資先を分けて運用しているようでは獲得できる利益は少なくなる。
そのため、分散投資する数や投資先をよく考えることが必要だ。
手数料の確認
運用先によっては手数料だけ取られて利率は良くないという悪質なものもあるため、利率に見合った手数料なのか確認が必要である。
手数料がどれくらいか調べるという意味でも、自分の投資先はやはりしっかり把握していた方が良いだろう。
以上が退職金運用で特に注意したいポイントである。
その中でも分散投資は投資の基本ともいえる極意になるため、しっかりと理解することで失敗するリスクを避けた退職金運用を行っていこう。
次は、特にリスクのある注意が必要な投資法をまとめて解説する。
リスクを避ける意識をした運用を行うことも重要になるが、失敗するリスクの少ない投資を選ぶことも大切になるため、しっかりとチェックすることをお勧めする。
リスクのある気を付けたい投資法とは?
人気のある投資や、幅広い年齢層に親しまれている投資はリスクのあるものが多くあるという。
例を挙げれば、株やFXのようなものだ。
ここからは上記のような投資がどんなものか解説していく。
急変する株式投資
資産運用初心者の人でも聞いたことはあるだろうこの株式投資。
この株式投資の仕組みからどんなリスクがあるのか迫っていく。
株式投資で利益を得る方法はキャピタルゲインと、インカムゲインの2種類がある。
早速この2種類の利益を得る方法について解説していきたいと思う。
キャピタルゲイン
これは、株式を売買した時の差額で利益を得ることを言う。
株価が安い時に買い、株価が高くなった時に売ることで、その売買の差額が利益となるものだ。
キャピタルゲインを得るためには、企業の知識や、株式市場への理解が必要になるため、当然資産運用初心者の人には難しいかもしれない。
また、このキャピタルゲインを得る際には、株価が下がり損失を被るリスクがあるため注意する必要があるだろう。
インカムゲイン
このインカムゲインとは、株式を保有することにより得られる配当金や株主優待のことである。
つまり、企業が業務で得た利益を配当金として受け取ることができ、また、その企業が販売している商品券や割引券などを受け取ることができることだ。
このように株式投資のインカムゲインは、受け取ることができる制度になるため、損失を被るリスクはない。
しかし、全ての企業の株式が配当金などを提供しているわけではななく、注意が必要だ。
以上が株式投資の2種類の利益獲得方法になる。
株式投資は、色々な利益の受け取り方があるため魅力的に見える一方で、8割の投資家は利益を獲得できていないという。
そのくらい利益を得ることが難しい株式投資に大切な退職金を運用することはあまりおすすめすることは出来ない。
ここで次は、株式投資の次に有名であろうFXについて解説する。
人気のFXは注意
FXは今や学生や主婦の層まで広がっているという人気ぶりである。
その人気の仕組みを紐解きながら、FXの抱えるリスクについて理解していこう。
まずFXというものを簡単に言うと、外国の通貨同士の交換のことを言う。
つまり、国の通貨には日々上下している価値が存在し、価値が違う外国の通貨同士を交換することで、その差額を利益としているものがFXになる。
例えば、1ドル100円の時に1000円で10ドル買い、1ドル110円の時に円に戻した場合、手元には1100円のお金が残る。
この100円がFXで得ることのできる利益なのだ。
しかし、通貨の価値は秒単位で動いており、1分先の価値がどのくらいなのかは誰にもわからない。
そのため、いくらでも損失を出してしまう可能性があるのである。
しかし、一方で大きな利益を得ることができる可能性もあるため、そこが人気の秘訣になっているのであろう。
ただし、重複するようだが、この相場の変動リスクが大きいため退職金をFXに運用することはおすすめできない。
もちろん、退職金以外の余ったお金を運用することに関しては、何も問題はないが、老後の生活費にもなり得る退職金をFXに運用することは大きな注意が必要だ。
ということで次は、退職金を受け取れば必ず銀行員に勧められる投資信託について解説していく。
投資信託の手数料
投資信託の仕組みと、なぜ銀行員は投資信託を勧めるのかということについて話していく。
その銀行員が投資信託を買ってほしい理由に投資信託のリスクが詰まっているため、そこも併せて説明する。
まず、投資信託というものは投資のプロが個人投資家に代わって資産運用を行ってくれる金融商品のことである。
この投資信託の良いところは、分散投資を行ってくれるところであるが、投資信託には大きなコストがかかるのだ。
そのコストは以下の4種類に大別される。
販売手数料
簡単に説明すると、投資信託を購入する際に生じ、直接支払う手数料のことを言う。
この販売手数料はファンドや販売会社によってかからないことがあり、それをノーロードという。
運用管理費(信託報酬)
投資信託を保有している間、投資信託の保有額に応じ日々支払う費用。
長期保有する投資信託になればなるほどその手数料は大きくなることが特徴だ。
投資信託の手数料のなかで最も注意しなければならない手数料になる。
監査報酬
投資信託は決算ごとに監査法人などから監査を受ける必要があり、その監査に必要とされる手数料を支払わなければならない。
この監査報酬は投資信託を保有している時にだけ発生する手数料になる。
信託財産留保額
投資信託を運用期間中に解約することになった際に発生する違約金のようなもの。
この信託財産留保額の注意すべき優先順位は低いが、頭に入れておくといいだろう。
以上の4つが投資信託の手数料になる。
この全ての手数料は銀行の利益となるため、銀行員は退職金というまとまった資金を受け取った人に投資信託を勧めるのだ。
また、投資信託は分散投資をすることで低リスクな運用を行うことができるかもしれないが、一方で大きな手数料が足かせとなり、結果取り分がマイナスになることもあるため、細心の注意が必要になる。
投資信託のリスクを一旦説明したところで、次は銀行の退職金運用プランのリスクについて解説していこうと思う。
なぜなら、退職金運用プランには投資信託が組み込まれていることが多く、結果思ったような運用結果ではないことがあるためである。
この退職金運用プランも名前の通り、退職金を受け取った際、銀行員にとても勧められるものになるため、ここからは注意して見てもらいたい。
知らないとまずい銀行のプランとは?
退職金運用プランは、一見するととても優秀な金融商品に見えることがあるが、実際には懐疑的なものだという。
そこで、ここからは退職金運用プランはどのような仕組みなのかといったことや、リスクについて解説していく。
退職金運用プランの真実
退職金運用プランは、普通預金や定期預金の金利よりも高く設定している所が多くある。
例えばりそな銀行の退職金運用プランでは、申し込み金額の半分を投資信託に投資をすれば、同時にりそな銀行に預ける額を定期預金として金利6.0%を適用するというものがある。
また、申し込み最低金額は500万円となっているため、250万円を投資信託に、残りの半分の資金を定期預金に運用するものとなっている。
しかし、上記で説明したように投資信託は手数料が高くなるため思うように利益が伸びることは無い。
そして、定期預金の方は金利が6.0%もあるのだが、退職金運用プランには期間が決まっており、これがもし半年の運用になる場合は実質3.0%の金利を受け取ることになる。
この金利6.0%というものは年利になるため、その数字を期間分に変換して見積もらなければいけないことが注意点だ。
上記のようなパターンはりそな銀行の退職金運用プランだけではなく、当然その他の銀行の退職金運用プランでも同様のケースになる。
そのため、定期預金の年利を期間分に変換し、組み込まれている投資信託の手数料を確認することが必要不可欠であり、注意すべきポイントだ。
ということで、最後に退職金を運用する際の注意点をまとめて解説する。
今まで流して読んできたことや、忘れてしまったことも次で一回思い出して確認していこう。
おさらい
老後のための大切な退職金を運用する際の注意点は今までたくさんあった。
そのため、たくさんある注意点の中で特に頭に入れておきたいものを次では紹介する。
以下に書かれていることを押さえて、安全な退職金の運用を行うようにしていこう。
- 投資、資産運用の基本は分散投資
- 相場が変動するリスク
- 侮れない手数料
以上の3つが退職金運用をする際に注意したいポイントだ。
まずは、リスクを分散させる分散投資を意識すること。
そして、相場が変動すると損失を被る可能性のある株やFXに注意し、退職金運用プランに組み込まれている投資信託では、手数料をしっかりと把握することが明るく安定した老後への一歩である。
退職金の運用では注意すべきことが特にたくさんあるが、この多くの注意点をクリアできれば、目指していた老後はすぐそこにある。
是非、このページに書かれている注意点を頭に入れて退職金の運用を行って欲しいものだ。
以下、よく読まれている関連記事になるので是非読んでみてほしい。
⇒元本保証があるものに退職金を運用した方が良いのか比較して検証
堀切 一
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